ステーキング報酬の計算
報酬の財源
報酬の財源には以下の2種類があります。
①トランザクション手数料:全ての取引やADAの送金時に発生する手数料のことです。
②ADAリザーブ:最大供給量は450億枚と決まっていて、2021年9月現在330億が市場に出回っていると言われています。リザーブとは最大供給量から市場に出回っている分を引いた量(120億)になります。
エポック毎に報酬ポットという入れ物に①と②から追加されるイメージです。
計算の手順
①各エポックの報酬ポットの一部(20%)をトレジャリーに送金。(トレジャリーの資金は、システムの分散型開発に利用されます)
②プール報酬をプールオペレーターと委任者に分配されます。
さらに詳しく見ると
1)まず、ブロックが生成されるとステークプール に340ADAの固定費を払います。
ブロックが生成されない場合は、支払いは発生しません。また、委任者への報酬も分配されません。
2)固定費の支払い後、プールオペレーターが設定した手数料(マージン)をオペレーターに支払います。手数料は、オペレーターが自由に設定する事ができます。0〜5%ぐらいが殆どだと思いますが、中には高く設定してるオペレーターもいます。手数料が高いと、その分、委任者への配分が少なくなりますので、委任の際は手数料を確認するようにしてください。ちなみに手数料はプール全体から差し引く量となります。0〜5%程度なら委任者一人一人の報酬への影響は殆どありません。
3)残りの報酬がブロック生成への貢献度に比例して委任者へ分配されます。
報酬のサイクル
報酬のサイクルはADAを委任したエポックから始まります。
・エポックNの最後のスロットでスナップショットをキャプチャーし、委任証明書が作成されます。
委任証明書(ステークキーの残高、どのステークプール に委任されているか、ステークプールが設定したパラメータ)
・エポックN+1:スナップショットを利用し、エポックN+1のスロットリーダーをランダムに選出します。
ステーク量が多ければ多いほど、スロットリーダーになる可能性が高くなります。
・エポックN+2とエポックN+3の境界で報酬額が計算されます。
・エポックN+3とエポックN+4の境界で報酬が分配されます。
エポックN | エポックN+1 | エポックN+2 | エポックN+3 | エポックN+4 |
・委任開始 ・最後のスロットでスナップショット | ・最後にスロットリーダーの選出 | ブロックを生成 | 報酬額計算 | 報酬の配布 |
上の表を見て頂くと分かりますが、委任後にウォレットに報酬が入るのは最短で4エポック後となります。日数で計算すると1エポック5日なので最短で15日後という事になります。その後は毎エポック報酬が入ってきます。(ブロックが生成された時前提)
プールのステーク量が少ないとエポックN+1のスロットリーダーの選出で負けてしまい、ブロックを生成するのが難しくなってきますが、ステーク量を100K以上保有していれば、数エポックに1回はスロットリーダーに選出されるようです。
また、報酬量の年間利率は、約4.6%と予測されています。
例えば、5エポック全く報酬が貰えないとしても、6エポック目にブロックを生成できた時に、ROS(年利)が20%になるといった具合です。報酬が無いと不安かもしれませんが、じっと我慢いただければ、まとめて貰う事ができます。また、NIZIでは、ステーク量が安定するまで、プール報酬の20%を委任者様に分配しております。
【参考】
https://iohk.zendesk.com/hc/ja/articles/900003023526-%E5%A0%B1%E9%85%AC%E3%81%AE%E7%AE%97%E5%87%BA